自分の軸がないと、他人の言いなりになってしまう

ヒトリゴト

ふと思い出したこと。
2010年、2度目の大陸横断で西アフリカを走っていたときのこと、自分の処世術の危うさが鮮明になった出来事がありました。思い返せば、これも何度も繰り返している失敗パターンのひとつで「他人にいいように使われることを自ら助長する」という自爆テロです。ちゅどーん。

いくつ失敗したか数えてみよう

それはマリの田舎のジェマ(Diema)という村に辿り着いた時のことでした。そこで貧困の子どもたちの支援活動をしているパムというイギリス人女性に出会いました。彼女は長年かけて現地に多大な貢献をしており、なんて立派な女性だろうと感銘を受けたものです(最初のころは)。

ジェマでの出来事は過去ブログにさらっと記してありますが(その①その②その③その④)、ぶっちゃけ当時のブログには綺麗なことしか書いてません。実際は僅か数日でパムのパシリになりさがり、脱出できる隙を見計らって一週間後にやっと逃げ出したというのが真相です。ですが、パムとの関係は表面上は非常に友好的な雰囲気に包まれており、そのせいで「なんかちがう」と違和感を感じるまでに時間がかかってしまいました。

あのとき、私が対応を誤ったいくつかのシーンを思い出してみます:

  1. ひとつめの失敗。ジェマ到着初日、私はパムの拠点に長居するつもりは無かったにも関わらず、旅仲間だったチャリダーのロムが「パムの支援活動は素晴らしいね!僕も手伝うよ!」と言うので、なんとなくロムに同調してパムを手伝うことになってしまったこと。
  2. ふたつめの失敗。パムを手伝うと言い出したロムが「僕は急いでるから!じゃ!」と、まさかの2日後にチャリで離脱。しかし私のほうは、パムに頼まれたWeb改修(なんでやねん)で技術的にハマっていたせいで、何日かジェマに逗留する羽目になってしまったこと。
  3. みっつめの失敗。あれやこれやで、なし崩し的にパムの主催する子どもたち向けの大規模イベントの手伝いまですることになってしまったこと。パシリやら料理やら運転手やらでこき使われ、さすがの私も「これ以上のボランティアはマズイ」と感じたけど、あれこれ良くしてくれるパムに強く言えなかったせいで一週間経っても脱出できず。

それだけは断固阻止すべし!

ちなみに、このときの私の大陸横断の本当の目的は、ジェマから500kmほど離れたところにある「グイナの滝」を訪れて、長年の因縁をリセットすることでした。そう、日本から3万キロ近くワゴンRで走ってきて、あと一歩でゴールに辿り着く!というところだったんです。私にとっては、これはただの旅行ではなくお遍路に近いものでした。すべてをその日のために捧げてきて、あとちょっとで10年越しの夢が叶うってときに、ジェマで足止め。。。

最初のころ、私のやや重めの旅の目的を聞いたパムが「あら、面白そうね。私もそのグイナ滝とやらにつれてってよ」と同行オファーしてきたとき、私も正直、慣れないマリで単独行動するのは心細かったので「ぜひお願いします!」とOKしました。だけどそのせいで “いつジェマを出発するかはパム次第”、という流れになってしまい盛大に自爆。しかもパムの用事が片付くまで住み込み手伝いをやることに。。。

タダで泊まらせて貰ってたので文句言えなかったんですけど、滞在が延びるにつれてパムの思いつきの指示がだんだん増え、あれこれ言われるままに全部にやってたら心折れそうになりました。あれ?私なんで目的地を目前にしてこんな所で女中やってんだ?なんかおかしくね?

しかーし!!パシリ一週間後。パムの思いつきで「そうだわ、もうすぐ来客があるからその人も乗せていきましょうよ」と観光タクシー扱いされかかった時は、さすがの私も「は???(会ったこともない人を?)」となって、良い子モード強制終了。とにかく、パムの言いなりで旅を続行するのだけは断固阻止せなアカンΣ(゚Д゚)!!!って事だけはハッキリしたので、やっと私の緊急アラートが作動したという。

幸い、そう決意したのとほぼ同時に、ジェマを脱出するチャンス到来!頼もしいオランダ人友達から合流連絡が来たのです。私はスキを見てワゴンRに荷物を詰め込み、間髪入れずにパムの拠点を脱出しました。ギリギリセーフ。
ちょうど「首都に到着した客人を送迎して欲しい(逆方向に1日がかり)」などとパムのパシリ要望がいよいよ常軌を逸してきたところだったんですが、「もう行かなきゃいけないので出発します!バーイ」ってやっと言えたー。
つーかそれ、一番最初に言うべきだったセリフじゃろ。。。

自分の軸がなければ、他人の言いなりになる

私の人生振り返ってみると、この手の従属パターンは枚挙にいとまがありません。とはいえ、善意あふれるパムの好意に目がくらみ、自らも進んでパムの召使いに甘んじていたジェマの日々は、いろんな意味で自爆ボタン全部盛りだったと思います。

この話にはツッコミどころが無数にありますが (たとえば自分の意見を言わなかったり、いい人を演じて疲弊したり)、そういうのは単なる結果にすぎないんじゃないかと。一番の問題はそれよりもっと深いところにあって、それは自分軸で判断するための基準を持っていなかった、ということだと思ってます。
「このくらいの手伝いなら余裕だから…」「このくらいの作業なら許容範囲だから…」と、他者の要求を満たすことばかりフォーカスしていると、限度を超えるような要求が来たときも「自分を後回しにすればいけるか…」という発想になってしまう。自分の軸を持ってない奴は、自動的に他人の軸で回らされることになるわけです。

ところで、こんな意志薄弱なエピソードを披露したあとでアレですが、じつはこの “他者に波長を合わせる戦略” にはそれなりに捨てがたい利点もあったんです。それは、自分を後回しにすればするほど他者から重宝され、生存が有利になる、ということでした。(あのパムだって、ずいぶんと私を気に入ってくれてはいた…)
若い頃の私は「大概のひとに気に入られる」という性質のおかげで、世界中どこに行ってもおおむね安全に過ごせる確信がありました。だって、何があっても出会う人を味方につければ助けて貰えるのを知ってたから。

しかし、私みたいな “エクストリームお人好し” が、パムみたいな “エクストリーム依頼者” とセットになると、かなりの高確率で「使う側・使われる側」の歯車がガッチリ噛み合ってしまって、抜け出せなくなるんですよ。。。今まで、こういう事何度もあったなぁ。。。orz

選択の力を自分に取り戻すということ

これって、突き詰めると「選択の問題」なんですよね。
よくよく考えると、パムが私にパシリを依頼してきた全ての局面で、私にはいつだってNOという選択肢があったわけです。なのに、私には「二つ返事でその要望を実行する」という以外の選択がまったく見えてませんでした。誰にでも気に入られるよう、いつでも瞬時に相手に波長を合わせられるよう訓練してきた成果です。(いばんな)

ですが、誰に対してもデフォルトがYESに固定されてしまっているということは、人間に本来備わっている選択の力を自ら放棄しているのと同じではないかと。つまり、あらゆる選択権を他者に委任し「どうぞ、私をお好きなようにお使いください」って言ってる状態ですよ。。。で、実際そういう人生になっていたという。

でも逆に、自分の視界にNOという選択肢が入ってくるようになったら、人生の自由度はだいぶ高くなるような気がします。正直、そのせいで相手に嫌われるかもしれないのが一番怖いけど、よく考えたらその程度で関係が壊れる人と長くお付き合いするほうがリスク高いと言えるので。

というわけで、もしいまタイムマシンであの時に戻れたら、昔の私に
「パムの頼みごとは全部断ってさっさとグイナ滝へ行けーーー!!それで失うものなんかなんもないわーーー!」
って喝をいれたい。(゚∀゚)

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コメント

    • かわうそ
    • 2022.03.28 7:02am

    双方実体験あり、悩んだ経験あり、抜け出せない経験あり・・・とまたまた他人事とは思えませんでした。

    エクストリームお人好しって凄くすごく生きるのラクなんですよね❢(自分で責任取らなくて良いから腹黒)
    一度ラクを知ったもんだから処世術として勘違いしてぬるま湯から抜け出せないし、抜け出そうとしないの!だってラクだから!!(何回言うねんw)
    あと、尋常じゃないくらい人から嫌われるのを恐れるアレ←何なんですかね。
    小さい頃のトラウマかしら・・・

    他人任せでいると、心のモヤモヤ(本当はこうしたいんじゃないのにー!!ムキー)が爆発した時自分でも抑えが効かないエネルギーとなるのが怖いよね☺

    私も心のデフォルトがイエスになりがち(気が付いていても成り下がり癖有)なので、気を付けたいと思います。

      • naochka
      • 2022.04.04 12:10am

      わ〜💕コメントありがとうございます!(すんません最近なぜか通知届かなくて気づくの遅れがち…)
      いやーホントに。。。我ながら救いようのない戦略を採用してたなーと思います。

      英語に”being treated like a doormat”という表現があって「ドアマットのように踏みつけにされること」を指してるんですが、なんかもうドアマット係なら任せてくれ!ってドヤ顔したい気分です。(あほ)
      しかも表向きニコニコしながらドアマットなりに鬱憤を募らせる、という意味で二重に最悪でしたね。orz

      相手を失望させずに建設的にNOと言える人、双方の利益になるよう即座に調整できる人、尊敬します。。。
      尊敬するだけじゃなくて、自分もそうなれるようにがんばろ!

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naochka

長年IT業界でWeb+デザインをやってました。いまはWordPress中心です。やや技術的な話が多いですが、なぜか世界中あちこち放浪してた関係でたまに想い出を綴ってたりもします。 Wall Street Journalを読む会の英語ナビゲーターやってます。(実は帰国子女)

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