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先日、ウクライナの女性飛行士が気がかりだという話を書いたけど、かつてロシアを大陸横断したときに数え切れないくらい大勢の人々の世話になった身としては、ロシアを孤立させるような世界の動きにも胸が痛むのでした。特にヴォロネジで家族同然に接してくれたターニャ(① ② ③)とその家族のことを思うと、本当にどうしていいかわからない気分です。
こっちの視点からみると、ロシアのウクライナへ侵攻はあまりにも理不尽だし、プーチン政権が隣国を一方的に暴行する理屈に至っては私にはよく分かりません。そんな乱暴なやり方に対して、世界各国が抗議のためロシアに経済制裁を課すのは当然だという理屈もよく分かります。むしろ、それがいまの世界がとれる最も非暴力的な抗議の手段だということも承知しています。
しかしなんとなくニュースを見ていて思うのは、経済制裁したところでプーチン政権が武力行使をやめることはないだろうということです(むしろ激化しそう)。ロシアを村八分にすればプーチンも反省して暴力をやめる、という期待は幻想でしょう。かといって世界が何もせずロシアを放置すれば「武力で隣国を蹂躙しても構わない」という野蛮なトレンドがロシア以外の国々にも広がる恐れもあるわけで、そのような野心的な国々を牽制する目的のほうが大きいのかなと感じるのでした。
いずれにしても、ロシアに暮らす大勢の罪のない人々が経済制裁の巻き添えを食らうことに変わりはなく、そのことを思うとつらいです。私の知る限り、ターニャもセルゲイもその他大勢の心優しいロシア人のみんな誰ひとり悪くないし、彼らは他国との戦争を望むような人たちではありません。もっというと、ロシアには想像以上に日本びいきな人々が多くて、私が日本人だというだけで親切にしてもらった事が数え切れないくらいある。
なのに、わずかな間に国際取引ができなくなり、自国通貨が目も当てられないほど暴落し、いままで暮らしの一部だったような輸入品が手に入らなくなり。。。もし自分がそんな目に遭ったらどうだろう。
気がついたらロシア側も対抗措置でFacebookやTwitterを遮断して言論統制を強め、インターネットの在り方が問われるほど極端な分断が起こりつつあります。それもわずか半月もたたない間にこんなに状況が変わってしまいました。そんな状況に置かれたら、どんなに心優しいロシア人でも、まるで世界から見放されたような気分になるのではないでしょうか。私だったら心折れるかも。。。
もちろん、ウクライナ危機が核戦争に発展する可能性もあるなか、あえてロシアを経済制裁するにとどめることが最も非暴力的な選択肢だというのは理解しています。誰かが殴られたからといって、即座に殴り返さないのは理性的な判断です。だけどその一方で、その経済制裁のために苦しむことになるのは何の罪もないロシアの人々である、ということだけは忘れずにいたいと思うのです。
ロシアに暮らす人々だって、我々と同じように平和な暮らしを望んでいます。罪のない一般の人々が、指導者が暴走したばかりに世界からつまはじきにされ、突然暮らしが破壊されていく。ウクライナの人々が被った被害を考えるとやむを得ない措置であることは理解できるけど、少なくとも我々日本人も、ロシアの人々に痛みを強いる仕打ちに加担しているのだということを自覚しながら見守っていきたいです。
先日、ロシア側でFacebookが遮断されてしまい、この先ターニャと連絡が取れなくなる可能性を感じた私は、今のところまだ繋がっているVKontakte(ロシアのSNS)経由でメッセージを送ってみました。ターニャ達がどのような政治的見解を持っているか分からなかったので、よくよく言葉を選んで、ただ大切に想っているということだけを伝えました。いまのところ返事はないですが、いつか伝わればそれでいいです。
そういえば、最後にやりとりしたのは2年前で、「私たち、出会ってから10年にもなるのね!」などと他愛もない話をしてました。あの頃に戻りたい。。。
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