9/18。
9/18に開催した「第13回 Wall Street Journalを読む会」の開催報告です。(正式名称:【初参加無料】第13回 お金の知識が身につく英字新聞を読む朝会!英語脳を鍛えよう! )
突然ですがお知らせです。1年以上続いたWSJ会ですが、11月に開催する第15回をもって終了することになりました。今まで参加してくださった皆様、本当にありがとうございました!
でも残りあと2回ありますので、良かったらラストまでお付き合いいただけると嬉しいです(≧∀≦)
※WSJを読む会についてはこちら。
今回の記事:経済はコロナで翻弄されたのになぜ株価は好調だったのか。ここ数年で実体経済と株価が乖離してしまった理由に迫ります。
Stocks Are Divorced From the Economy—but Won’t Be Forever
(注:これは無料記事なので全文読めます)
今回も、辛口James Mackintosh先生のコラムです。
どんな内容か見ていきましょう〜♪
経済成長はしていないのに、株価は高い状況
いまのアメリカが急激なインフレに見舞われているという話はこれまでWSJ会で何度も出てきました。インフレ=景気が加熱した状態、なのでアメリカ経済は絶好調であろうと思いきや、どうもそんなことはないらしい。
実際、行き過ぎたインフレなのは確かだけど、これを経済成長と呼ぶのはちょっと違うようです。アメリカの様々な経済指標を見ると、「コロナ前の2019年と比べて大して成長していない」という話がありました。しかもFRBの激しい金融引締が始まり、これからもっと景気の冷え込みが予想される状況です。
ところがそんな状況にも関わらず、「株価はむしろ高水準を維持している」といいます。今年に入ってからS&P500指数が20%下がるなど、あきらかに株価も下がってきているのに、なぜでしょう?
じつは、コロナ前の2019年と比較すると、いまの平均株価はいまだに30%以上高い状態(!)なのだそうです。
今回のタイトル「株価は経済から乖離している(Stocks are Divorced from the Economy)」は、実体経済が成長していないにも関わらず、株価が高い状態が続いていることを指したものだったんですね。
Luckily for stock-market investors, the economy doesn’t seem to matter that much—though that may not last forever. Predicted profits 12 months ahead are up a third, and so are stock prices. Who cares if wages are rising fast and the economy stagnating, so long as the costs can be passed on to customers?
The Wall Street Journal:Stocks Are Divorced From the Economy—but Won’t Be Forever
ここで、株式市場の投資家に対する辛口コメント。
「投資家たちは株価さえ高ければ、経済がどうなろうと大して気にしていないようだ」と述べたあと「賃金が急上昇しようが、経済が停滞しようが、企業がコストを顧客に転嫁できているのであれば、誰がそれを気にするだろう?」と、チクリ。
だけど実際は、経済も株価と無関係ではありません。2020年のコロナによる景気後退は(短期ではあったけど)株価が暴落しました。また今年に入ってからは、FRBの金融引締と先行き不安からS&P500が20%安に落ち込みました。だとしても、投資家がウォッチしている企業の業績はかなり堅調であり、それが続くと予想されている限り、株価もまだまだ底堅いと見られているようです。
アメリカの巨大企業が儲かっている本当の理由
ところで、あらゆる経済指標が芳しくない状況なのに、どうして企業の業績が堅調だということがあり得るのでしょうか?その理由は意外にも、アメリカで進行中の厳しいインフレにありました。
今回のWSJ会でホスト先生が解説してくれた「生産性」のたとえ話が分かりやすかったで紹介します。
ある企業が、100万円のコストを投入して、120万円のモノやサービスを提供できたとき、生産性は1.2。つまり投入コストに対して1.2倍の価値を生み出せたということになる。
では、インフレになって、すべての値段が2倍になったらどうなるか。
同じ企業が、200万円のコストを投入して、240万円のモノやサービスを提供するようになっても、生産性は1.2のままでインフレ前と変わらない。
しかし、インフレ前の利益が20万円なのに対して、インフレ後の利益は40万円になる。
つまりインフレになると、「生産性は上がっていないのに、利益だけが上がったように見える」ということが起こる。
これが、いまアメリカ企業で起こっていることなのだそうです。
それを、マッキントッシュ先生はこう言っています:
The result is that for the U.S. corporate sector as a whole, as measured by economic data, earnings gains have been purely due to revenue gains, the vast bulk of which is merely inflation.
The Wall Street Journal:Stocks Are Divorced From the Economy—but Won’t Be Forever
つまり、いまのアメリカの企業部門全体にみられる利益の伸びは純粋に総収入の伸びによるものであり、その大部分は単なるインフレの結果にすぎない、ということです。
特にS&P500企業の利益率は、2019年よりも高水準を維持しているといいます。中でも大きなテック企業は、実体経済の成長やインフレの加速といった状況を飛び越えて、はるかに売上を増やしているそうです。(実際、GAFAの利益のグラフを見せてもらったけど、近年とんでもなく儲かっていることがわかってビックリでした)
実体経済と株価が乖離している理由
ここで今回のタイトル「株価は経済から乖離している(Stocks are Divorced from the Economy)」をもういちど振り返ってみます。アメリカの株価は、どうして実体経済からかけ離れた状態になってしまったのでしょうか?
Part of the gap between the economy and the market is that the market is heavily skewed toward large technology companies. Many were pandemic winners as demand shifted online, helping maintain rapid growth despite their size and boosting profit margins.
The Wall Street Journal:Stocks Are Divorced From the Economy—but Won’t Be Forever
その原因の一部は、株式市場が巨大なテック企業に大きく偏っていることなのだそうです。しかも、それらのテック企業の多くはパンデミックの勝ち組でした。コロナでオンライン需要が高まるにつれ、急激な成長を遂げたZoomやNetflixのような企業を想像すると分かりやすいかも知れません。
だけど、これらの勝ち組企業がいつまでも優位性を保てるかどうかは分かりません。たとえば、Netflixなどはすでに翳りが見えてきていると言われています。コロナ後もずっと株価が高水準のまま続くとは言い切れない、ということです。
今回この記事を読んで、ちょっと遠回しな表現ながらも、投資家たちに向けてこんな含みをもたせていたように感じました:
経済停滞・インフレ・高金利が続けば経済が弱るし、経済が弱れば長い目で見ていずれ株式市場にも跳ね返ってくる。だから「自分が儲かりさえすれば、経済が弱っていようが関係ない」という態度は見直したほうが良いのではないだろうか? (from マッキントッシュ先生)
まとめ
今回の記事も、知らないことが多かったなあ、という印象です。
今年に入って、アメリカの株価が落ちた落ちたという話をよく聞くから「ふーんそうなのか」と思っていたけど、実際には2019年よりもだいぶ高い水準のままだったとか。GAFAの株価も今年にはいって下がってるのに、企業の業績はめちゃくちゃイイとか。なにより、インフレで企業業績が水増しされるカラクリは目からウロコでした。
ちなみに、言われるまで全然知らなかったんですけど、今年の日本企業の業績も過去最高なんだそうです。
でも日本で給料上がったとか、みんなリッチになったとか聞かないけど。。。
これも、乖離の一種なんですかねえ。
残りあと2回!次回もぜひWSJ会に遊びにきてください〜☆
次回のWSJ会は10/16開催予定です!
遊びに来てね〜♪
↓↓↓↓
10/16開催分:
【初参加無料】第14回 お金の知識が身につく英字新聞を読む朝会!英語脳を鍛えよう!
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