Naochka Blog

なおチカのヒトリゴト
20211121

戻れない橋を渡る(1)

うーん。前の投稿で会社には何の未練もなかった、って書いたけど、そういえばひとつだけ大きな心残りがあったのを思い出しました。これも20代前半の話です。

異動先の人ヤバいらしい

私が初めて入った会社は、外資系でまあまあ大きいところでした。当然のようにたくさん部署があって、毎年のように異動があったんですが、最初の2年はしょうもない部署をタライ回しにされて全然おもしろくなかったです。同期は海外出張したりしてるのに、私はいつまでも雑用係ってどういうことだゴルァ(あ、実力なかったからですハイ)。
すっかり仕事に愛想を尽かした私は「とっとと金貯めてアフリカを走ろう」の一心で通勤してた気がします。

2年ほど経ったある日、また異動になりました。それまでどこに行ってもひたすら雑用係だったので、次の異動も似たような感じだろうと思ってました。はいはい、ワタシャもう貯金さえできればどこでもいいよ。

ところが、話を聞いていくと、次の行き先はどうも違う感じらしい。とあるベテラン社員が一人で荒稼ぎしてるワンマン部署だというのです。みんなヒソヒソしてました「あの人、一匹狼だから部下とか持たない主義だったのに」「仕事に厳しい人だよ、結果もすごいけどね」「怖いらしいから気をつけてね」

え!ちょ、ど、どんなヤバい人なの!!?Σ(゚Д゚)

そう噂される訳はすぐに分かりました。その40代のベテラン社員はジャタさん(仮)といって、なんと私が就活してた頃の入社案内に、社史に残るサクセスストーリーとして3ページの特集で紹介されているほどのレジェンドだったのです。写真を見ると体育会系で見るからに厳しそうなお方でした。やべえええ、こんな人の所に配属かーー!ミスしたら逆さ吊りにされたり、石牢に閉じ込められたりするのかな。どうしよう。。。

ベテラン一匹狼との出会い

ガクガクブルブルの初対面の日。
新上司のジャタさんは熊のようにデカくて怖そうな人でした。ひいいい、噂どおり。
いちおう挨拶したんですが、ジャタさんは眉一つ動かさずに私を一瞥。ほとんど口も聞かずに一人で黙々と仕事してました。ふおおおお、こえー。
要するに、俺一人で利益あげられるのに、部下を持てと命令されたから仕方なく受け入れてやったんだよ、という事だったらしい。ペーペーの私が何の期待もされてないのは明らかで、まあ、君は役立たずだから適当にそこのデスクに座ってなさい、という感じでした。

あるとき、ジャタさんが手掛けているコンサル案件で一緒に先方の企業に赴きました。ちなみに、ジャタさんのコンサルは評判が良く、BtoBの超高額案件をいくつも手掛けて大きな利益をもたらしていたのですが、それまで彼一人で全案件を回していたところに「初めての子分」として付いていった感じです。

当然ながら、会議は難しい話ばっかで何言ってるかサッパリ分かりません。でも逆さ吊り(妄想)が怖かったので、とりあえず必死で議事録とり。見ると、顧客には威風堂々と話すジャタさんですが、話が済むと私には何も言いません。帰り道も一緒ですが、特に話すこともなく無言で歩く我々。。。うわあああ、やりにくい〜。。。

ところがそんなある日、客先からの帰り道でジャタさんがふと商店街のカメラ屋さんのショーケースの前で立ち止まり、中古カメラを眺めているではありませんか。「あ、あの、ジャタさん、写真撮るんですか?」「まあね。古いカメラの名機を集めてるんだ」「実は、私も一眼レフ好きで、いつも三脚担いでツーリングしてます」「なにっ、そうなのか。カメラは何を使ってるんだい?」「入門機は◯◯から初めて、今は中級機の◯◯で撮ってます」「ということは◯マウントのレンズだな」「ですです、いまレンズ集めてます」

。。。という偶然があってから、ジャタさんとの関係が劇的に近くなりました。お互いにオフィスでカメラ談義に花を咲かせるようになり、そのうちジャタさんは一人で回してたコンサル案件についても私を積極的に使うようになり、だんだん知識ゼロの私を教育してくれるようになったのです。

レジェンド直々の教育

当然、会社案内に載るような大物ですから、ジャタさんの仕事ぶりは半端なかったです。私が大型連休にツーリングで遊び呆けている間にも、ジャタさんは毎日図書館に通って顧客の業界についてガッツリ調査するなど、噂通りの仕事の鬼でした。そんなジャタさんが話してくれるのは業界の最先端をいくトップシークレットばかり。顧客が何百万も出しても惜しくないようなすごい情報を、ぺーぺーの私が理解できるまで噛み砕いて、分かりやすく教えてくれました。私なんぞにそんなマル秘情報を。。。なんともったいない。

そんなだったから、アホな私でも当時はそれなりにジャタさんの言わんとしている事が分かったし、ジャタさんも私を右腕として重用してくれるようになったのは嬉しかったです。自分がいま業界で最先端の仕事を手伝っているという自負もうまれ、入社して初めてヤル気爆上がり。会議室にカンヅメになって、阿吽の呼吸で300ページ位ある提出書類を一気に仕上げる!というコンビ技も編み出し、ジャタさんも毎度のように「2人でやるとホントに早く終わるな!」と喜んでくれたのでした。小さなことだけど、尊敬できる人の役に立てて誇らしかったです。

そして、頭から煙が出るほど頑張ったあとは、いつもの楽しい休憩タイム。「なおチカくん、こないだ掘り出し物のローライフレックス()を入手したんだが」「まぢですか!見せてください!」「フィルムもセットしてある。屋上に行ってテスト撮影しよう。君が撮っていいよ」「やったぁ!お供しまーす!(゚∀゚)」

。。。てな感じで、ジャタさんとの毎日は本当に楽しかったです。
私が会社辞めることになるまでは。。。

(つづく)

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